†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
愛する人
――その日は特に事件もなく、あたしと廉は定時で仕事を終えた。
「樹里、腹減らないか?」
「うん、減った。ペコペコだよ」
今日も朝から晩まで訓練で、もうお腹が空きすぎて大変。
「じゃあ飯食ってから、俺ん家行くか。」
「うん、そーしよ!」
あたしは廉の隣を歩く。
この場所はとても安心する。
「樹里」
「ん?どーしたの……あっ、」
ぐいっと手を引かれ、更衣室に連れ込まれる。
「やっ、廉…!こんなとこで……ぁ」
「いいから黙れって」
トンッと壁に押し付けられて、手首を固定される。
もう……逃げられない。