†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「んっ……んっ……」
数ミリの隙間なく、重なる唇。
苦しくなって、顔を背けようとしても、それは彼の手によって遮られる。
手首を握っていた手はいつの間にか、そっと優しくあたしの手を上から包み込んでいた。
「ん……廉、待って…」
「待ってじゃねぇだろ。本当は欲しくて仕方ねぇくせに……」
「そんな、こと…」
「いいから、ほら」
「んんっ…」
再び重なる唇に、瞳からは涙が溢れていくのが分かる。