†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「なんだよ、樹里。知り合いか?」
「知り合いっていうより……元・チームメイト、かな?」
「チームメイト……あぁ。お前SPだったからな」
廉は理解してくれたみたいで、ぽんとあたしの肩を叩く。
あの二人が付き合っていたことは知っていた。
でも、いつも仲良さそうなのに。
「あの子がいいなら、あの子と付き合っちゃえばいいじゃない!」
「嫌だ。絶対に嫌だ!」
佐々倉先輩は月島先輩を強く抱き締めた。
「うわっ!やるなーあの男」
廉が小声で言った。
確かに……ここは警視庁のロビーだし。
こんなことするには勇気がいる。
まぁ…今の二人には回りなんて、見えてないだろうけど。
「好きだ、朱里。お前だけが…」
「健太……」
佐々倉先輩に抱き締められた月島先輩は大人しくなり、素直に彼に身を任せていた。