†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
その定食屋さんはとても家庭的な感じのお店で。
すぐ席に通され、メニューを見る。
雰囲気も凄く良かった。
「俺さ、イタ飯とかより、ぶっちゃけこういう飯の方が好きなんだよな」
「あ、そうなの?でも…あたしもそうかも」
イタリアンとかって、なんだかしつこいって言うのかな……嫌いではないけど、あんまり得意でもない。
「あ、これ美味しそう。サンマの塩焼き定食」
「お、ほんとだな。じゃあ俺は……トンカツ定食にするか。」
「あははっ!さっきも食べたいって言ってたもんね!」
廉って、本当にトンカツ好きだもんね。
お家デートの時とか、夕飯トンカツにする時もあるし。
「樹里もスタミナつけろよ。もたないぞ」
「分かってますー。」
お父さんみたいなことを言う彼に、自然と頬が緩む。