†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ

「廉……廉……」




「どうした?樹里」




たまらず彼にしがみついて、安心するその体温を感じる。




好き。
こんなに好きな人、いない……。




「好き。大好き、廉…」




「うわっ。卑怯だぞ、お前。こんなとこで、んなこと言いやがって……襲えねぇじゃんか」




悪戯っぽく笑う彼。




あたしは何も言わず、ただ彼の大きな背中にぎゅっと手を回していた。




「樹里、覚悟はできてるか?」




「覚悟、って?」




「一晩中、失神しない覚悟」




――////!!




この人は平気でこーいうことをっ……!




「廉のエッチ!」




「男なんかみんなエロいだろ」




さらっとそんなことを言う彼。




まったく!
油断も隙もあったもんじゃない。




「よし、朝までたっぷりヤるか」




「う、うるさいっ////」




そんな会話をしているうちに、エレベーターは廉の部屋がある階に着いてしまった。



< 48 / 179 >

この作品をシェア

pagetop