†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「廉……廉……」
「どうした?樹里」
たまらず彼にしがみついて、安心するその体温を感じる。
好き。
こんなに好きな人、いない……。
「好き。大好き、廉…」
「うわっ。卑怯だぞ、お前。こんなとこで、んなこと言いやがって……襲えねぇじゃんか」
悪戯っぽく笑う彼。
あたしは何も言わず、ただ彼の大きな背中にぎゅっと手を回していた。
「樹里、覚悟はできてるか?」
「覚悟、って?」
「一晩中、失神しない覚悟」
――////!!
この人は平気でこーいうことをっ……!
「廉のエッチ!」
「男なんかみんなエロいだろ」
さらっとそんなことを言う彼。
まったく!
油断も隙もあったもんじゃない。
「よし、朝までたっぷりヤるか」
「う、うるさいっ////」
そんな会話をしているうちに、エレベーターは廉の部屋がある階に着いてしまった。