†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
樹里をフローリングの上で抱いた後、俺はベッドまで運び、また彼女を抱いた。
俺は樹里のことになれば、いつだって理性なんかなくなる。
ただ頭にあるのは……樹里を愛しているという確かな気持ち。
「ん……れ、ん…」
行為を終えた後、そのまま眠ってしまった樹里。
俺はサラサラな彼女の髪を撫で、その可愛らしい寝顔を見つめていた。
過去に性的虐待を受けていた樹里。
正直……樹里に触れた男をぶっ殺してやりたい気持ちもある。
だが……俺達が今、一番大切にしたいのは今だ。
樹里の過去の傷を受け止め、その傷を癒す。
それも俺の役目だと思うんだ。
「愛してる。樹里」
ぐっすりと眠っている彼女の耳元で、優しくそう呟く。
俺が求めれば、絶対に拒んだりしない樹里。
俺も樹里から求められて断ったことはない。
いや……断る理由すらない。