†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「……ん、あっ…廉…」
「おはよ。よく眠ってたな」
俺は彼女の小さな額にキスをした。
「うん……知らないうちに寝ちゃった」
樹里は可愛らしい笑顔を俺に向ける。
まぁ、樹里の場合…セックスが終わればすぐに寝てしまうタイプみたいだからな。
そのおかげで可愛い寝顔を、たっぷり堪能できるんだけどさ。
んなこと言ったら、怒るんだろうな。
“あたしの寝顔見て笑ってたんでしょ!?”
とか言いそうだし。
「廉…?何がおかしいの?」
「えっ?あぁ…いや、なんでもない」
おっといけねぇ。
俺の考えてること、樹里にバレちまうところだったな。
「なんか、今日の廉……激しかった」
「そうか?いつもと同じだろ」
「ううん、激しかった。だって……いつもならちゃんとベッドまで連れてってくれるもん。今日はフローリングでシたし……」
「いや……まぁ、特に意味はないんだがな」
不思議そうに俺を見る樹里。
フローリングでのセックスは、あんまり気に入らなかったみたいだな。
「ごめんな。背中痛かっただろ?」
「ううん、平気。それより……」
樹里はモジモジとし始めた。
なんだ?