†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「あ、でも……」
「うん?」
樹里は考え込むように口に手を当てた。
「ちゃんと廉はあたしの彼氏だって、みんなが分かってくれないと……また廉を狙う女の子が……」
「俺を狙う女?」
俺はポカンとしてしまった。
樹里……そんなこと心配してんのか?
「えっ……もしかして廉、知らないの!?」
「知るも何も……」
目を丸くさせる樹里に、俺はたじたじになる。
「廉のこと狙ってる女の子、本部(警視庁)に何人いると思う!?ほとんどだよ!!」
樹里は目を潤ませる。
「樹里、そんなのただの気のせいだ。俺は誰に思われようが……樹里しか見てない。」
俺は彼女の小さな額にキスをした。