†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
彼女を連れて職場に着き、駐車場に車を止める。
樹里はまだ不安そうな顔をしている。
「樹里、どうした?」
俺はすかさず彼女の肩を抱く。
すると樹里は、潤んだ瞳で俺を見上げた。
「廉、どんなに綺麗な女の子が近寄ってきても……気持ち、揺れたりしない?」
「は?」
「あたしだけ、見ててくれるんだよね…?」
ぎゅっと俺の服の裾を掴む彼女。
愛しい。
ここが職場の駐車場だと言うことすら、忘れてしまいそうになる……。
「樹里、さっきも言っただろ?俺はお前しか見てない。お前以外の女を女として見てない」
「れ、ん…」
「愛してるんだ、樹里」
俺は彼女の華奢な体を抱き締めた。