†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「別に帰っても構わないが…お前の部屋まで迎えに行けばいい話だしな。」
「も、もうっ!」
強引な俺に、樹里は唇を尖らせる。
「まぁいい。とにかく一緒に帰るからな。よし、行くぞ」
俺は有無を言わさず、車を降りる。
「あ、ちょっと待ってよ!」
樹里も慌てて降りる。
「行くぞ、樹里」
「あ、ちょっと…!」
彼女の手を握り、駐車場を出る。
大きな瞳で俺を見上げてくる彼女が可愛すぎて、俺は理性を保つのが大変だった。
署に入り、特殊部隊オフィスまで向かう。
警備部のフロアに入ると、スーツ姿のSP達がぞろぞろとオフィスから出てくる所だった。
「懐かしいな、ここ。」
「お前の古巣だもんな」
樹里はSATに来る前はSPだった。
そこでたくさんの良い仲間と出会ったという。
「廉は?SATに配属される前はどこにいたの?」
樹里がふいにそう聞いてきた。