†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「俺は刑事部のSITにいた」
「SIT?凄いね、廉」
そっかー…。
廉はSITにいたんだ。
「交渉人だったの?」
「いや、俺は突入班だった。あんまり交渉とか得意じゃないからな」
廉は可笑しそうに笑う。
あたしの知らない過去の廉。
見てみたいようで、見たくないような……。
「廉が好きなのは強行突入だもんね」
「あー?なんだ、樹里。喧嘩売ってんのか?」
廉はずいっと顔を近付けてくる。
わ、わーーっ////!
近い近い!!
「どっちかって言えばSATの方が好きだな、俺は」
「SITの時はどうだったの?」
廉は懐かしむように言った。
「まー…SITが嫌だってワケじゃねぇけどな?SITの手に負えなくなって、初めてSATが必要とされる……まぁ、SATの方がやりがいがあるって感じだな」
やりがいがある、か……。
確かにあたし達の仕事は命懸けだけど……それ以上に誇りを持てる。
例えば人質を助けられた時。
殺し屋やテロリストを確保できた時。
街の治安を守るために、あたし達は命を懸ける。
それがあたし達の仕事だから。