†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「おい、なに宮崎のこと泣かしてんだよ。いじめか?」
「た、隊長っ!!」
あたしは思わず声を上げてしまった。
ていうか、桐島隊長いつの間に…?
「違うわよ、優輝。樹里は感動して泣いちゃったのよ」
「そうですよ。泣かしてはいません」
廉と美姫さんがそう言うと、桐島隊長はふぅ、
と息を吐いた。
「宮崎……お前も大変な男に引っ掛かったな」
「えっ!?た、大変って……」
桐島隊長はあたしの肩をポン、と叩くと、部隊長室に入っていった。
「やだ、優輝ったら……」
美姫さんは部隊長室の方を見ながら言った。
「言うじゃねぇか……桐島隊長」
廉は対抗心丸出しな感じでそう呟く。
「廉っ!美姫さんがいるのに……」
「ふふっ、いいよの。雨宮くんはそういうとこがいいと思うわ」
美姫さんはコーヒーの入ったマグカップを手に取ると、一口飲む。