†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「……樹里、幸せそうね」
「へっ?そ、そうですか?」
あたしがそう言うと、美姫さんは優しく微笑んだ。
「だって樹里、雨宮くんと付き合う前より、ずっと雰囲気が丸くなったもの。綺麗になったし」
き、綺麗って…////
美姫さんの方が断然美人だし!
「ねぇ、樹里。絶対に雨宮くんの手を離しちゃダメよ?」
「えっ?」
「こんな仕事だからこそ、言えるのよ。あと…雨宮くんと一生一緒にいたいって強く思うなら、早く結婚した方がいいわ。」
「結婚……ですか」
美姫さんはゆっくりと頷く。
「仕事上、もし彼の身に何かあった時……“彼氏が”なんて言いにくいでしょ?」
「あ、そうか……」
「まぁ、それだけじゃないけど。樹里と雨宮くんなら上手くやっていけるとあたしは思うわよ?」
あたしと廉なら、か……。
“結婚”
その言葉があたしの脳裏に焼き付いて離れなかった。