†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
甘い休息
「ごめん、待った?」
「いや、大丈夫だ。行くか」
署から出ると、そこには既に廉が待っていた。
「どこか行きたい店とかあるか?」
「うーん……なんか今日は居酒屋っていうより、バーで飲みたい気分かも」
「バーか。いいな!そうするか」
案外すんなりと行き先が決まり、あたし達は廉の車で移動することになった。
っていうか…今までそんなに気にして見てなかったけど……。
廉が乗ってるベンツの型って、かなり高いんじゃ……。
「廉ってカーマニアだったりする?」
「はっ?なんでだよ」
突然の質問に、廉は不思議そうな顔をする。
「いや、だって……ベンツ買うくらいなら、けっこー車好きなのかなって……」
あたしがそう言うと、廉はクスクスと笑い始めた。
「好きってワケでもないが……ただ単に、貯金がかなり貯まってきてたから、ちょっとくらい奮発してみたかっただけだ」
「え、そうなの?」
てっきりカーマニアなのかと……。
「樹里は車持ってるのか?」
「あ、うん。一応ね!」
ベンツではないけど……。