†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「んんっ……ぁ、」
激しく絡み合う舌に、体が仰け反る。
廉は“我慢できない”とでも言うように、そのままあたしを抱き上げた。
――ドサッ…
ベッドにゆっくりと寝かされ、あたしは彼の鍛えられた筋肉質な体に組み伏せられる。
「樹里、愛してる」
ちゅ、とこめかみに優しくキスをされて……。
「れ、ん……」
「ん?」
なんだか無性に彼の名前を呼びたくなって、気付けば彼の名前を口にしていた。
「廉……」
「ふっ、なんだよ……樹里」
この声が好き。
廉があたしのことを呼ぶ、優しい声のトーンも。
大事にされてるんだって、愛してくれてるんだって……実感できるから。