†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
ぎゅっと指を絡ませ合って、貪るように口づけを交わす。
身体中にかかる、心地いい彼の重みに胸がぎゅっとなって……。
「樹里……」
「あっ……」
ようやく一つになれた時、あたしの瞳からは一筋の涙が溢れた。
彼と一つになれていることが嬉しくて……。
この行為でこんなに相手を好きになれるなんて、知らなかった。
「樹里……泣いてるのか?もしかして痛い?」
「うう、ん……違う…よ…」
痛いわけがないもん。
こんなに時間を掛けて、愛してくれたんだから……。
「好きすぎて、涙が出ちゃうの。そういう、ものなの……」
「樹里……」
廉はそんなあたしを優しく抱き締めてくれた。
彼の鍛えられた、筋肉質な体が好き。
あたしを優しく包み込む腕が好き。
“樹里”って愛しむように呼ぶその声が好き。