†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ

「なんで抑えることができないの!?あたしは廉の性欲処理じゃないんだから!!」




「何言ってんだ、お前!」




あたしの言葉に、廉は強くあたしの肩を掴んだ。




「性欲処理…?好きな女をそんな風に思う男がどこにいるんだよ」




「……っ…だって…」




「……悪い。俺も悪かったな…」




廉はあたしを体を優しく抱き締めた。




「れ、ん…ごめんね?あたしも…いきなりこんなこと言って……」




「謝るな。理性飛ばした俺が悪い」




あたしに何も言わせないかのように、強く頭を自分の胸に押し付ける。




好き、廉……。




あたしは仕事場だということすら忘れて、彼の広い胸に顔を埋めた。




「……点検、行かなくちゃ…」




「あぁ、そうだな。藤ヶ谷さんがもう先にいるかもしれないしな」




あたし達は体を離すと、微笑み合った。



< 84 / 179 >

この作品をシェア

pagetop