†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「なんで抑えることができないの!?あたしは廉の性欲処理じゃないんだから!!」
「何言ってんだ、お前!」
あたしの言葉に、廉は強くあたしの肩を掴んだ。
「性欲処理…?好きな女をそんな風に思う男がどこにいるんだよ」
「……っ…だって…」
「……悪い。俺も悪かったな…」
廉はあたしを体を優しく抱き締めた。
「れ、ん…ごめんね?あたしも…いきなりこんなこと言って……」
「謝るな。理性飛ばした俺が悪い」
あたしに何も言わせないかのように、強く頭を自分の胸に押し付ける。
好き、廉……。
あたしは仕事場だということすら忘れて、彼の広い胸に顔を埋めた。
「……点検、行かなくちゃ…」
「あぁ、そうだな。藤ヶ谷さんがもう先にいるかもしれないしな」
あたし達は体を離すと、微笑み合った。