†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
――ガチャッ
「藤ヶ谷さん!」
「お!どこ行ってたんだよー。お前ら」
藤ヶ谷さんはこちらに気付いたみたいで、そう言いながら顔を向けた。
「すみません。宮崎が体調を崩したみたいで、外で少し休んでました」
「えっ!?そうなのか?宮崎、大丈夫?」
「あ、はい!もう平気です」
あたしはふりふりと手を振る。
「そっか。ダメそうだったらすぐに医務室行けよ?今、治しておかなきゃ現場で困るからな」
「はい」
藤ヶ谷さんはサブマシンガンを一丁、手に取った。
「これ、勝手に被弾するから危ないんだ。これだけは撤収することになってたから、取りに来たんだ」
「勝手に被弾する?誰か怪我でもしたんですか?」
廉がそう聞くと、藤ヶ谷さんは顔をしかめた。
「……この前、立て籠り事件あっただろ?」
「あぁ、港区の?」
藤ヶ谷さんはゆっくりと頷いた。
「あの時、安全装置を掛けていたにも関わらず、このMP5を持ってた隊員の足に勝手に被弾したんだ。その隊員は全治3ヶ月の怪我だよ」
全治、3ヶ月……。