†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
犯人の一人を駆け付けた応援に引き渡し、更に奥へと進む。
「イヤーッ!離して!やめてッ!!」
何、この声……。
あたしと廉は顔を見合わせ、そっと中の部屋を覗き込む。
「うるせぇ!黙ってねぇと殺すぞ!!」
そこには犯人らしき男に馬乗りされた若い女性がいた。
「最低…!何あれ……」
「あぁ。よし、ここから撃つぞ」
廉はサブマシンガンを構え、犯人を狙う。
「廉が撃ったら、あたしが押さえるから。すぐに援護に入って」
「了解だ」
廉はスコープを覗き込む。
そしてーー
ーーバンバンッ!!
「ぐあぁっ!!」
女性に馬乗りになっていた男が呻き声を上げ、女性の上から退いた。
今だっ!!
あたしはダッシュでそこまで走り、犯人の後ろに回った。
「警察よ!大人しくしな」
「ぐっ!何だよ!!離せ!!」
犯人はジタバタと暴れる。
見ると…腕と足に一発ずつ被弾してるみたいだ。
あたしはわざと傷口を床に押し付けてやった。