†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「いってぇ~~!!何すんだよ!? 」
「うるさい。静かにしててよ」
あたしは淡々とした口調でそう言い、手錠をかけた。
「樹里、大丈夫か」
「うん、平気。それより人質の二人を……」
あたしはふと、後ろにいる二人を見た。
「理沙!大丈夫か!?」
「優ちゃんこそっ…!」
二人はどうやら恋人同士だったらしい。
お互いの存在を確かめるように抱き合っている。
「悪かった。助けてやれなくて……」
「何言ってんの。優ちゃんだって危ない目に遭ったんだから……」
彼氏の方は泣きながら彼女を抱き締めている。
あぁ…この二人、本当に思い合ってるんだな。
「お取り込み中の所、申し訳ないんだけど……君達、怪我とかない?大丈夫?」
廉が構わず声を掛ける。
「あ、はい!大丈夫です。な?理沙」
「はい。平気です」
二人は微笑み合い、そう答える。