†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
元カノの嫉妬
「お疲れ様でーす」
「お疲れ様です」
署に戻ると、着替えとシャワーを済ませ、廉との待ち合わせ場所である警視庁ロビーまで行く。
「樹里」
「ごめんね、待った?」
待ち合わせ場所に行くと、既にそこにいた彼が迎えてくれた。
「いや、大丈夫だ。行くか」
「うんっ」
あたしは廉の隣を歩く。
警視庁を出ると、廉がそっと手を繋いできた。
「ふふっ、なんか照れるね?」
「うるせぇよ」
クスクスと笑い合う。
なんて幸せな時間なんだろう……。
「ーー…廉?」
後ろから聞こえた女の人の声。
あたし達はゆっくりと振り返った。