わたしのピンクの錠剤
 
『今日はお見舞いに来てくれてありがとう。
 とっても嬉しかったです。
 でも、もう二度と来ないでください。
 先生はもう、あいかちゃんとは会えないのです。
 あいかちゃんのことは大好きだし、これからもずっとずっと大好きだけど、もう二度と会いません。
 どうか、わかってください』


美智子先生からの手紙と聞いて、舞い上がっていた。

酷いことをしたと謝ってくれてるとばかり思っていた。

でも、開けてみると、病室でのことは、何ひとつ触れられていなかった。

ただただ、一方的に会えないとばかり・・。



涙があふれてきた。


美智子先生に会いたいと思った。

でも、会ってもらえない。


これじゃ、加藤先生といっしょだ。


私は美智子先生のことを忘れるしかなかった。


 
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