わたしのピンクの錠剤
 
転院先の病院に着いた時には暗くなっていた。

病院の手配は立花先生が手を尽くしてくれたらしい。

そればかりか、玄関先まで出迎えてくれた。


「おお、あいかちゃん。約束が違うじゃないか。忘れてもらっちゃ困るな。先生はいつでもキミの味方なんだよ。何かあったら、ちゃんと先生のことを思い出してくれよ」


先生は近づいてきて、その冷たい手を私の頬にあてた。

私はそれに応えるように先生の手を握った。


「よし、部屋に行こう。すごいぞぉ、特別室だ」



その部屋は本当に特別室だった。

ベッドの隣に付添用のベッドがあるばかりか、応接室のようにテーブルやソファまであった。


「残念ながら今夜だけだ。明日の朝になったら、一般病棟に移ってもらうからな」


 
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