わたしのピンクの錠剤
「美智子先生が逮捕された。殺人容疑だ」
「ウソっ」
「学校の近くの公園で殺人事件があっただろ。その容疑者だそうだ」
「まさか、先生が・・」
「なっ、ふざけてるだろ。そんなはずないじゃないか。でたらめに決まってる。あの美智子先生がそんなこと出来るわけ無い。小田、何か覚えてないか。あの日なんだよ。小田と病院に行っただろ。なあ、何でもいいんだ。思い出してくれ」
そう、あの日だった。
私は先生のマンションから学校へ行こうとしていた。
急に現れたあの男。
馴れ馴れしいしゃがれ声。
舌打ちする音。
そこまでは、今でも鮮明に覚えている。
それなのに・・。
先生、あの後なにがあったの?
本当に先生が殺したの?