わたしのピンクの錠剤
 
私はまず客観的な事実を話すことにしました。


 多重人格という病気のこと。

 主人格があいかちゃんであること。

 そして、あいかなは交代人格であることを丁寧に説明しました。


誤魔化すより、真実を話して、あいかなと信頼関係を結ぶことを第一としたのです。


しかし、あいかなは私の話には興味がない風でした。

「あいかちゃんが必要としたから、キミは生まれてきたんだよ」


私の言葉が虚しく響きました。


 
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