わたしのピンクの錠剤
首まで真っ赤になりそうな大人の記憶。
でも、そこから母子健康手帳に書かれた哀哉の由来が押し計れた。
しかし、思い出してはいけないものを思い出したような気もする。
その人は親父じゃなかった。
きっと、その人は愛子の夫の下平達哉。
温かく包まれて、側にいるだけで安心感があった。
愛子は幸せに満ちていたように思う。
それなのにどうして?
親父は二人が愛し合って私が生まれたと言った。
私には愛子の気持ちがわからなかった。