わたしのピンクの錠剤
 
首まで真っ赤になりそうな大人の記憶。


でも、そこから母子健康手帳に書かれた哀哉の由来が押し計れた。

しかし、思い出してはいけないものを思い出したような気もする。


その人は親父じゃなかった。


きっと、その人は愛子の夫の下平達哉。

温かく包まれて、側にいるだけで安心感があった。

愛子は幸せに満ちていたように思う。



それなのにどうして?



親父は二人が愛し合って私が生まれたと言った。

私には愛子の気持ちがわからなかった。


 
< 138 / 264 >

この作品をシェア

pagetop