わたしのピンクの錠剤
 
次の日は保健室に行かなかった。

その次の日も行くつもりはなかった。

でも、美智子先生が迎えにきたので仕方なく付いていった。

わたしはいつものように丸椅子に腰掛け、先生はいつものように髪を梳かしはじめた。


「家でお手伝いとかしてる?」
「ううん」

「3年生だし、お手伝いしてみたらどうかな」
「お父さんは勉強してろって言う」

「でも、お父さん、お仕事で疲れてるよ。きっと」
「うん」

「お父さんのお仕事、何だったっけ?」
「大工さん」

「そっか、力仕事だよね。やっぱり疲れてるよ」
「うん」

「お父さん、お酒飲むんでしょ」
「うん」

「夕食の後のお片づけなんてどうかな」
「・・・」

「夕食はどうしてるの」
「お弁当」

「朝食は?」
「食べない」


 
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