わたしのピンクの錠剤
 
気がつくと、親父の膝の上に頭を置いていた。

そして、あの懐かしい感覚がよみがえる。

私の前にわたしがいる。


それは、わたしが見つからなくなって初めて気付いた感覚。

そして、以前には気付かなかったわたしの心の有り様が、今ではハッキリ感じられた。



泣き疲れたのか、わたしは眠っていた。

それなのにひどく緊張している。


私のせいだと思う。

私のせいでこんなにも怯えている。


私はわたしの心を優しく抱きしめた。


 
< 166 / 264 >

この作品をシェア

pagetop