わたしのピンクの錠剤
『ごめんね。ほんとにごめんね。そんなつもりじゃなかったの。ただ、達哉が二重人格だったっていうから、それが気になって。ほんとにそれだけなの』
『ううん、気にしないで。それよりわたし、ねむっててもいいでしょ。ね、おねがい』
いい気はしなかったはずなのに、わたしは決して私を責めようとはしなかった。
親父が肘をぶつけてくる。
「だから、あいかはいるのか?」
「うん、疲れたから、ちょっと眠るって」
親父はもちろん、おじいさんがホッとした表情を見せたのが印象的だった。
おばさんも安心したのか、達哉のことを懐かしそうに話しはじめた。