わたしのピンクの錠剤
月曜日、わたしにとってはホント久しぶりの学校。
だからなのか、朝から興奮を隠そうとしない。
それもこれも、美智子先生に会えると思うから。
私はそれがわかっているから、なおさら本当のことを言い出せなかった。
わたしの気持ちと反比例するように私の気持ちは沈んでいく。
何も言えないまま時間は流れ、昼休みになった。
わたしは迷うことなく保健室を目指し、期待に胸ふくらませながら、ドアを開けた。
でも、そこには当然いるはずの美智子先生はいなかった。
「美智子先生は?」
そこにいた女の先生は振り向くとにっこり笑った。
「小島先生は辞められたのよ」
「どうして?」
「聞いてなかったんだ。あなたは?何年何組?」
新しい保健室の先生の声が虚しく響いた。
『どうして何もおしえてくれなかったの』
私に罵声をあびせ、わたしは保健室の先生を睨みつけると、激しくドアを閉めた。
そして、そのまま校庭に飛び出した。
『どうして何もおしえてくれなかったの』