わたしのピンクの錠剤
校門をあとにして、着いたところは美智子先生の部屋の前。
全てを拒絶するように部屋には鍵が掛かっていた。
『どうして、ねえ、どうして』
『あの殺人事件の容疑者として、逮捕された』
『容疑者?逮捕?なに、それ』
私が説明しようとしても、わたしは貸す耳を持たない。
『もうすぐ、裁判が始まるんだって』
『裁判・・・?』
『行ってみようよ』
担任の加藤先生が裁判の日程を教えてくれた。
金曜日の午前10時開廷。
でも、加藤先生は行けないという。
わたしはどうしても行きたくて、親父に頼んだ。
端っから断られると思っていたのに、あっさり親父は了承した。