わたしのピンクの錠剤
 
美術館の中はひっそりとしていた。

受付の人が怪訝そうにわたしを見ている。

なんだか、居心地が悪い。


特別展示場の入口は開いていた。

見上げるほどに高い天井。


王子様が現れそうって本気で思った。


わたしは美智子先生の腕にしがみついた。


 
< 18 / 264 >

この作品をシェア

pagetop