わたしのピンクの錠剤
「今日は来てくださったのね。ありがとう」
わたしは「はい」と小さく返事をしたものの、うつむいた。
『ねえ、誰なの』
わたしはこっそり私に尋ねる。
(美智子先生のお母さん)
「骨折したって聞いたけど、大丈夫だった?」
「は、はい」
「あの時はごめんなさい。わざわざお見舞いに来てくださったのに・・。あの後、美智子を問い詰めたんだけど、あいかちゃんを助けたいんだって、何だか矛盾だらけのことばっかり言うもんだから、話が全然かみ合わなくて・・」
先生のお母さんは涙で言葉を詰まらせる。
「あの頃、美智子は自殺を繰り返していたの。私は付きそうというより、自殺しないように見張っているって感じだった。美智子は私にさえ心を開こうとはしなかったの」
「先生が自殺を?」
「そう、あいかちゃんに会うまでは、ずっと死ぬことばかり考えていたように思います」
「でも、どうして・・」
「やっぱり、この事件と関係があったのかしら」