わたしのピンクの錠剤
病院での出来事
美智子先生はわたしを家まで送り届けたあと、親父といっしょに出ていった。
しばらくして、先生がひとりで帰ってきた。
「ごめんね、心細かったでしょ」
「お父さんは?」
「ちょっと寄り道するって」
美智子先生は上がらずに玄関で話をする。
「明日のことなんだけど、・・。その前に今日はごめんなさい。なんていうか、あの絵は芸術性の高い素晴らしい作品なんだけど、小学生にはちょっと無理があったよね。本当にごめんなさい」
「うん」
「それでなんだけど、お父さんとも話してみて、病院に行った方がいいだろうってことになったの」
病院という言葉に呼応するようにわたしの心臓が動きを早めた。
「お父さんがどうしても仕事を休めないってことだから、明日、先生といっしょに病院に行きましょ。先生の方が状況を説明できるし、ネ」
「わたし、病気なの?」