わたしのピンクの錠剤
その言葉に驚き、弁護士は傍聴席の後ろに立つわたしを捜し出した。
誘われるように次から次へとみんながみんな、わたしの方を振り向いた。
わたしは緊張からか心拍数が急上昇する。
私はすぐにでもここから逃げ出したい気分に陥る。
でも、わたしの心は微動だにしていなかった。
先生を助けるんだと、覚悟を決めていた。
「あいかな、本当のことを言って。おねがい、聞こえてるんでしょ」
わたしは堂々と先生を見据え、声を張り上げた。
それでも、先生は目を合わそうともしない。
わたしから顔を隠すように、じっと床を見つめているようだった。