わたしのピンクの錠剤
 
『でも、いま達哉を殺したとか、殺していないとか、言ってたじゃないの』


『だからぁ、大人にならないと理解できないことだってあるんだ。

話すのは簡単だけど、達哉の中に俺が13人いたって言ってもわからないだろ。

大人になって、理解できると思ったら、必ず教えるから。

今は知らなくていい』



そんな風に断言されて、わたしは圧倒されたのかもしれない。

有無を言わさず、納得させられたようだった。

わたしの年齢を考えると、あいかなの言う通りかもしれない。



今は知らなくていい。

私もそれでいいと思う。


それにしても、俺が13人いたって、どういうこと?

私にだってあいかなの言った事は全く理解できなかった。




ともかく、美智子先生の裁判は終わった。


 
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