わたしのピンクの錠剤
あの頃はやるせなかった。
俺だけが愛子に受け入れられていないようで、辛かった。
でも、今にして思えば、達哉よりは遙かにマシだったのかもしれない。
達哉はその他大勢の中に埋もれて、きっともがき苦しんでいたことだろう。
愛子にもわかってもらえず、居場所がなくなって、部屋の奥に閉じこもりがちになっていった。
愛子のことを最初に好きになったのは俺だった。
俺は一途に愛子のことを愛し続けた。
でも、それは達哉だって同じだった。
最初こそ、俺の恋に付き合っていたのかもしれない。
でも、達哉も俺と同じように愛子に恋したんだ。
そして、達哉の愛も一途だった。
愛子だけを愛していた。