わたしのピンクの錠剤
 
美智子先生を挑発しようと男が用意していた言葉に俺は別の意味で挑発されていた。


「愛子さんをご存じでしたか。でも、本当に非道い女ですよ。不倫して、妊んじまって、挙げ句が旦那を殺しちまうんだから」

「やめろって言ってるんだ」


俺は怒りに震え、破壊の衝動にかられる。

それなのに男はやめようとしない。



「娘だってそうですよ。あいかちゃんでしたっけ?

あの子の本性を知ってますか。恐ろしいったらないんですよ。まさに豹変するんです。

さすが人殺しの娘ですよ。

堕ろしちまえばよかったものを産んじまったもんだから、あんな化け物ができちまって・・・」


突然、胸の中で熱い固まりが破裂した。


その衝撃は破壊の衝動と相まって男に向かって加速する。



衝撃は青白い男の顔に命中し、男は粉々に弾け飛んだ。


 
 
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