わたしのピンクの錠剤
 
わたしは美術館での出来事を話した。

美智子先生に促され、家で起きたことも少し話した。


検査らしい検査は何もなく、わたしは先に診察室を離れた。



待合室の長椅子に腰掛け、美智子先生が出てくるのを待っていた。


その時、わたしの隣にくっつくように男の人が座った。

見ると、さっきわざわざ振り向いた人だった。

緊張して、わたしの心はざわついていた。
 
 
 
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