わたしのピンクの錠剤
 
『あいかちゃん、俺がお父さんはないだろ』



『ちがわないもん。あいかながお父さんで、あいこがお母さんだもん』

『あいかちゃん・・・』




悶々とした気分のまま、あいかは親父の足下ばかりを見て後をついていった。



『おい、あいこ。何とかしろよ』



あいかなは無理矢理私を押し出した。

とはいえ、私にもどうしたらいいのかわからない。



時間ばかりが足早に流れ、何もできないまま泉ヶ岳の頂上にたどり着いていた。


 
< 257 / 264 >

この作品をシェア

pagetop