わたしのピンクの錠剤
男は馴れ馴れしくわたしに言葉をかけてきた。
「新しいお母さんができたのかい」
わたしはチラッとその人を見て、また目を伏せた。
「それにしてもお母さんにそっくりになったな」
「えっ、」
「先生は、元気にしてるかい?」
(・・先生?)
「あぁ、そうか。もう医者じゃなかったな。お父さんは元気かい?」
わたしは視線を合わせることもできずに、ただただ混乱してずっと下を向いていた。
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