わたしのピンクの錠剤
 
気が付くと家に帰っていた。


どこをどう歩いて、家までたどり着いたのか、全く記憶になかった。

(あっ、学校・・)

立ち上がろうとして、外が暗いのに気が付いた。

見上げると蛍光灯がこうこうと灯っている。

時計を見ると8時をまわっていた。

でも、すぐにはその8時という時刻がピンとこなかった。


記憶が途切れる?
そんな半端なものじゃない。

わたしは一日の半分を失っていた。


誰かがわたしの身体を奪っている。

そう考え始めると、今までにない恐怖が襲ってきた。 


 
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