わたしのピンクの錠剤
「あの、友だちにたのまれて電話してるんですけど、あいかって子を知りませんか?」
何度も何度も頭の中で練習したセリフ。
「女の子です。9さいになります」
「・・・」
「育愛会病院で産まれました。小田健一先生でした」
「・・・」
「母子健康手帳があるんです」
「待ってちょうだい」
わたしの言葉を咎めるかのように、遮られた。
「あいかちゃん、いるの?」
「いえ、」
「あなた、なんでしょ」
「はい」