わたしのピンクの錠剤
 
酔っぱらった親父の頭でも理解したんだろう。

驚きの表情がありありと見えた。


少し打ち負かしたような気分になった。

しかし、親父の驚きは学校の先生たちのそれとは異なっていた。


親父はわたしの目も見ずに、自分自身で納得するように、ぼそぼそっと呟いた。



「そうか、だよな。本当はじゅういちだもんな」



  じゅういち?


頭の中をじゅういちって言葉が激しく駆け巡る。



 
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