わたしのピンクの錠剤
アパートにて
そろそろ、親父の帰ってくる時間。
玄関の外で人の気配がした。
てっきり親父だと思っていると、ドアを叩く音が聞こえる。
親父じゃなかったの?
ドアを開けると、担任の加藤先生がいた。
「おぉ、いたか。元気そうだな」
「先生・・」
「お父さんはまだかな」
「あ、うん。今日はおそくなるって言ってた」
「そうか。じゃ、上がって待たしてもらおうかな」
「だめだよ。ちらかってるし」
「気にしなくていい。お茶もいらないぞ」
先生は強引に上がり込んだ。
学校では結構人気がある。
でも、わたしは苦手。
「ま、いいから、ここに座れ」
もうっ、ここはわたしの家なんだけど。