わたしのピンクの錠剤
 
「小田ぁ、動物の本能について考えたことあるか」

「はぁ?」


「猫で例えるなら、トイレの後の砂かけとか、臭い消しのために身体を舐めたりとか、毛玉を吐くために草を食べたりとか、いろいろあるだろ」

「それがどうかしたんですか」


「それらを本当に本能って言葉で片づけていいものかってことだよ」


「・・だめなんですか」

「それらは本能というより、生きてる間に学習したことじゃないかって思うんだ」


「でも、誰に教わることもなくやるんでしょ」


「そこなんだ。先祖の生きてる間の記憶をDNAが覚えていて、それが記憶として伝えられてるんじゃないかって思うんだ」



「先祖の記憶を覚えている?」


 
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