わたしのピンクの錠剤
家に帰ると母子健康手帳を引っ張り出した。
私には解決できないことが重なっていた。
整理する必要があった。
こんがらかっていた。
私のお母さんは愛子だと親父は言った。
母子健康手帳を見つめる。
そこでは、愛子の夫は親父じゃなく、下平達哉になっている。
しかも、愛子と下平達哉の間には、私と同じ11歳の哀哉という男の子の名前が書いてあった。
私のお父さんは下平達哉なの?
哀哉って誰なの?
私の疑問はふくらむばかり。
しかも、答の出せないことばかりだった。
じっと母子健康手帳を見つめる。
父親:下平達哉
私は横目で電話機を見つめた。
親父に止められている。
でも、・・。