わたしのピンクの錠剤
お父さんと愛子は高校3年のとき、同じクラスだった。
付き合っていたわけじゃない。
愛子はクラスの、いや学年のアイドル的な存在だったんだ。
何か近づけないオーラみたいなものがあった。
それでも、お父さんが一番近くにいたように思う。
とは言っても、何も起こるはずはなかったし、期待もしていなかった。
その頃は受験で一杯いっぱいだったしな。
そして、高校を卒業して大学に入学してしまうと、もう会うこともなかった。