わたしのピンクの錠剤
「小田、そんな言い方ないだろ」
立花先生は私の肩に手をかけた。
「キミあってのあいかちゃんだからね、忘れないで」
「うん」
「それで、あいかちゃんの様子はどんな風かな」
「あれからずっと見あたらない」
「そうか。責任重大だね。でも、頑張りすぎないようにね。苦しいときには苦しいって言わなきゃダメだよ」
「大丈夫だよ、親父の子供だもん。先生の患者さんみたいに自殺なんてしないって」
「あぁ、ごめん。そりゃ、そうだ。大丈夫ついでにお父さんを借りていいかな。先生から、もうちょっと説得してみるからさ」
最後はひそひそ声でそう言うと、嫌がる親父を連れ出した。