わたしのピンクの錠剤
 
気がつくと私は駆けだしていた。

閉まり掛けたエレベーターに飛びのり1階に着くと、そのまま外に飛び出した。


どこをどう走ったのか、覚えていない。




気がつくと海沿いの道を歩いていた。

灰色の海が私の心を映しているようだった。


そうしているうちに、雨が降りだした。

冷たい雨が心ばかりか身体まで凍えさせた。


頭の中に先生の取り乱した姿が繰り返し映し出された。


私が何をしたっていうの?


 
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